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【ベイルート発 その2】

20日(木)、通訳も車もないままベイルートの街をてくてく歩いていたら、不思議なものでちゃんと通訳兼運転手の男が見つかってしまった。ちょうど別の記者との仕事が終わったばかりのようでラッキーだった。

初めて入る取材現場でこのパターンは結構多い。誰かしら偶然か、必然か見つかってしまう。気になる「料金」も、昨日別の人から受けた提示の半分だったので助かった。取材現場での通訳というのは非常に重要だ。これで取材の成り行きの半分ぐらいは決まるといってもいい。

03年のイラク戦争開戦の前は、バグダッド大学の正門の前で片っ端から学生に「英語は話せますか。明日から俺と一緒に働かないか?」と手配師のように声をかけまくった。しまいには、大学の警備員に通報されたのか、「不審人物」扱いとなって大学教員室に連れて行かれて事情聴取を受けた。結局、誰も協力してくれる学生はいなかった。それは当然でフセイン政権当時は外国人の取材は政府情報省の「公式通訳兼監視員」をつけなければいけない規則だったから、大学生がそんな「危険なアルバイト」はできなかった。

さて、今回ベイルートで見つかった通訳の男は「取材道具はちゃんとセットでそろっているぜ」という。車のトランクに自前のヘルメットと防弾チョッキを積んでいた。慣れたものだ。しかし、こちらはそんなもの別にいらないんだけど。

よくテレビ局のリポーターが、ヘルメットと防弾チョッキを着てう中継リポートなどをしているが、あれはだいたい「テレビ映りの見栄え衣装」として着ているようなものだ。リポートが終わったら「あ~重い重い」と言って脱ぐ。

昨日「ベイルートは思ったよりも平穏」と書いたが、ベイルート南部のある地区にきょう入ったら、まったく様子が違う。人の姿がない廃墟も同然だった。


7月20日撮影=ベイルート南部

この一週間の間に何度も空爆を受けて、ビルから民家まで軒並み破壊されていた。確かにいまもヒズボラのメンバーがいる地域であることは間違いないが、破壊されていたのはスーパーマーケットや商店ばかりだった。

国連の安保理でアナンが「国際部隊の派遣」を訴えたという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060720-00000116-yom-int

こうした部隊の派遣でもって、イスラエルは空爆攻撃をストップするのだろうか。
あるいはこうした部隊の派遣がない限り、イスラエルは攻撃を止めないのか。

カナダ、イギリス、デンマークなど、レバノン在住の外国人は今日も次々と港から船に乗ってレバノンを離れていく。20日午後9時過ぎ、今日取材で訪れた地区がまた空爆された。

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綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai

映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
DVD発売・各地で上映中
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2006-07-21 06:45  nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(0) 

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コメント 4

T

Tバックはいて「おーいお茶」飲んでる場合じゃないでしょう、綿井さん!...と釈迦に説法なわけですが。
ベイルートとは驚きました。→ 当然と思うべきでしょうか(笑
レポート、写真にいきなり胃カメラのモニタを前にしている気分です。
またまたヒッチハイクの冒険旅行記さながらですが...もとい、「戦闘地域」取材、最後まで「ロシアンルーレット」が当たらないよう「強運」を祈るばかりであります。
by T (2006-07-21 13:27) 

しのぶ

ちょっと、暗澹たる気持ちでレバノンのニュースを見ていた。またか。もう、戦争なんて、うんざんりだ。
 さっそく、レバノン入りを果たしている綿井さん。さすがというか、結局、戦争が起これば、それが飯の種になるなんて、因果な職業ですね。 でも、現地取材がなければ、今、世界で何が起こっているのか、私たちはわからない。命あってのものですから、大丈夫でしょうけれど、気をつけてください。
 現地取材も大切だけれど、ここ日本で私達が、この世界の現状をこれ以上悪くしないために何をすべきか、考えることも、とても大切なことだと思う。
by しのぶ (2006-07-21 22:04) 

マサガタ

信じられない。やはりベイルートにいるのですね。

今や、1937年の南京のような状態なんですね。

しっかりと目撃者になって下さい。後々の人に「そんなものはなかったよ」なんて言わせないためにも。
by マサガタ (2006-07-21 22:17) 

T.S

また、新聞やテレビでは知りえない、「実感」できる情報を教えてください。

でも、何より身の安全をお願いします。
by T.S (2006-07-22 00:39) 

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