【ベイルート発 その6】
▼共同通信から全国の加盟新聞社に配信記事(7月27日)
現地ルポ「戦火のレバノン」 がれきの中の叫び
文・写真 綿井健陽
※7月28日(金)付の新聞に掲載。全国紙には掲載されません。見出しは各新聞によって異なります。ネット上ではご覧になれませんのでご了承ください。28日以降に掲載される場合もあります。ぜひご覧ください。
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ベイルートに来ても、よくわからないのが「ヒズボラ」だ。
http://www.toonippo.co.jp/news_hyakka/hyakka2006/0726_4.html
日本の新聞などでは「イスラム教シーア派民兵組織」という形容詞が付いていると思うが、実際には民兵だけでなく、国会議員もいる政党だ。アメリカからは「テロ組織」扱いだが、実際にはいろんな部署がある「総合団体・組織」だ。パレスチナの「ハマス」によく似ている。
しかし、日本だけでなくどこのメディアを見ても、かろうじて党首の映像・メッセージは流されるが、ヒズボラのいまの活動の実態やメンバーが映像や写真で出てくることははない。以前は日本の知り合いのジャーナリストもこちらで取材していたが、今ではまったくメディアに出てこない。「資料映像・写真」ばかりだ。
ベイルート市内南部の街に行くと、あちこちに「ヒズボラのメンバー」を自分で名乗る若者はいるが、個別の取材には全く応じなくて、彼らの写真撮影も極めて難しい。無線や携帯電話で緊密に「横」の連絡を取って、さらには「縦」の指令や統制にも忠実だ。
レバノン市民は「対イスラエル」感情ではかなり似通っているが、ヒズボラへの評価は微妙に異なる。しかし、その評価の「本心」はなかなかつかみにくい。だが、アメリカやイスラエルが空爆や地上部隊の侵攻で「壊滅」「倒せる」ような組織ではないことだけは確かだ。それはパレスチナもイラクも同じ。中東は「終わりのない戦争」状態に入っている。
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綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai
映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
DVD発売・各地で上映中
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綿井さんの記事、長崎新聞で28日(金)読みました。
レバノンのキャミリアさんの怒りに満ちた「米国やイスラエルの子どもが1人死んだときは世界中に伝えられるのに、私達の死は無視されつづけている」という声が、私の胸に届いた。
やるべきことは山ほどある。絶望なんかしていられない。
こんな理不尽なことを、許してはいけない。
「怒り」をエネルギーにして、とにかくやるしかない。
by しのぶ (2006-07-28 22:06)
nice!
by NO NAME (2006-07-29 03:23)