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【3月23日=続・戦火のバグダッドから その12】

昨日(22日)はブログのサーバーがメンテナンス中で更新ができなかった。以下、昨日書いたものに今日の分を少し追加した。

(22日)午後三時半ごろ、ホテルの部屋から川を挟んで向かい側あたり、昨日この欄に写真を掲載した夕陽が落ちるちょうどその場所の左側付近に、ロケット弾か迫撃砲が撃ち込まれたようだ。大きな音を聞いて外を見ると煙が上がっていた。急遽バグダッドを訪問していた国連事務総長の会見中の出来事だった。http://www2.asahi.com/special/iraq/TKY200703220512.html

映像で見ると国連事務総長もかなりビビっていたが、僕も大きな音に一瞬驚いた。その一方で「懐かしさ」も少し感じてしまった。というのは03~04年ごろはこの周辺で何度も聞いた音だったから。あのころはこのホテルに向かって直接撃ち込まれたことも何度かあった。最近はこのホテルは米軍もいないし、要人も来ないので、もはや「標的」からは外れているので比較的静かだ。警備の人たちもほかの場所と比べるとのんびりしている。彼らからすれば米軍と一緒に警備する方がよほど怖いだろう。

さて外務省から「…速やかにかつ安全な方法でイラク(退避勧告地域)から退避願います。」と書かれたメールが届いた。以前も何度か届いているが、果たしてNHKバグダッド支局にも同じメールをずっと送り続けているのだろうか。

「速やかにかつ安全な方法で」と言われてもなあ。あと1~2週間はバグダッドにいるので、その間は「申し訳ないが我慢してください」としか言いようがない。できる限りの対策はこちらでやっております。

きょう(23日)はイスラムの休日の金曜日だったので、午後3時までは「車両通行止め」。僕の歩ける範囲で街中に出た。路上でインタビュー取材・撮影をしたが、僕も通訳も周りをキョロキョロ、警戒してしまって落ち着かない。朝起きると毎日肩から足先まで身体がこわばっている。寝ている間に異様に肩がこる。静かな夜でも身体は警戒しているのだろう。去年のレバノン戦争取材のときは空爆がひどかったので、全身固まって寝ていた。

今日は先週の金曜日と同じく、路上でまたしても米軍装甲車が3台近づいてきたので、今回はおとなしく写真を撮らないでいると、それでも米兵がわざわざ車から降りて来て僕に尋問を始めた。面白かったのは「こんなところで写真を撮っていて危なくないのか?」と若い米兵が聞いてきたことだ。米兵から心配されてもなあ。米軍車両が現れると路上の空気も一変して緊張する。子どもたちももいまは遠巻きに無言で彼らを眺めるだけだ。長い時間あんたらと路上で立話をする方が余計に危ないんだから、早くどっか行ってね!


3月20日撮影=以前のバグダッドと違って、街中での大人女性のスカーフの着用率は100パーセントに近い

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綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai

映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
DVD発売・各地で上映中
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2007-03-24 01:40  nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 

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コメント 2

Koni

もうニュースで聞いていると思いますが、アメリカ下院で23日、08年8月31日までにイラク駐留米軍を撤退させる法案が可決されました。ブッシュ大統領は拒否権を行使する意向とのこと。このニュースはバグダッドでどう受け止められるのか知りたいところです。では、また。
by Koni (2007-03-24 22:08) 

gt125

リトルバーズのヒロインの生存が確認できたことはとてもうれしいです。早く生死を心配しなければならない状況が解決する事を祈るばかりです。
by gt125 (2007-03-27 12:17) 

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