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これから新聞記者になる人へ

▼講談社「本」10月号=9月22日発売
http://shop.kodansha.jp/bc/books/hon/
エッセイ「僕の原点」

※紀伊国屋書店、旭屋書店などの大きな書店のレジ付近に置いてあるはずです。1冊80円!

▼朝日ニュースター「ニュースの深層」
http://www.asahi-newstar.com/
9月23日(金・祝)午後8時~OA(再放送あり)
スタジオ出演「自衛隊の活動は? サマワ現地報告」

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発売日を間違えていたようで申し訳ないのですが、
講談社の雑誌「本」に、ちょっと長い「プロフィール」を書きました。
当初入る予定だったサブタイトルは、「カンボジアPKO自衛隊から『自動車絶望工場』まで」。

そこにも書いたのですが、僕も過去に新聞社の入社試験をいくつか受けています。ほぼ全社途中の試験や面接で落ちたのですが、ある通信社の写真記者「補欠内定」という通知をもらったことがあります。結局「補欠」のままで入社できませんでした。もしあのときだれか「内定辞退者」が出ていれば、僕はその後どんな人生を歩んでいたのかと、ときどき考えます。

自動車工場でも働いた経験があります。
鎌田慧さんの「自動車絶望工場」です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061830961/249-1959099-6129958
鎌田さんは1972年の34歳のときトヨタで、僕は1996年の25歳のときにホンダでした。

「組み立てロボット」としての7ヶ月間でしたが、そこでいろんな人に出会いました。彼らからいろんなことを教えてもらいました。あのとき出会った自動車組み立て工場の労働者のほとんどは、いまもベルトコンベヤーの前でずっと同じ作業を繰り返していることでしょう。。今回の「本」の中では紙幅が尽きて詳細は書けませんでしたが、また機会あればそのことも書いてみたいと思います。

そこで働いた後、僕はジャーナリスト活動を始めました。

さて、これから新聞記者を目指す人、新聞社「社員」の内定をもらった大学生、そのほかテレビでも、雑誌でも、本でも、ネットでも、何かを取材して、ものを書いたり、映像や写真を撮ったりする職業にこれからつくかもしれない人は、やはり覚えておかなければならないことがあります。

どこかの局面で、取材場所で、誰かとの出会いの中で、自分が「権力」に寄り添うのか、それとも「権力」と対峙するのか、その選択を迫られるときがあります。その選択次第で「権力」から、あるいは「権力の周辺」から、「何か」を突きつけられる、あるいは「何か」を奪われることがあります。そのとき、所属する会社や組織はあなたを守ってくれません。本来ならばそのときにあなたを守るのが、少なくとも抵抗するのが「ジャーナリズム」のひとつの役割なのですが、残念ながら日本ではそうした構造になっていません。いやむしろ、いまのメディア状況を見れば、そのときメディアはあなたの「敵」になるでしょう。

そんな日本のメディア状況の大きな分岐点になった事件がありました。それが1972年の「沖縄返還密約事件」と、それを報じた西山太吉(元・毎日新聞記者)氏です。

大学生ぐらいの世代だと、この事件のことをよく知らない人がほとんどでしょう。僕も大学生のときはまったく知りませんでした。しかし、いま何も知らなくても大丈夫です。24日(土)午後6時から東京・渋谷の会場で、それを知ることができる機会があります。これを知ってから新聞記者の道を歩むか、それともやめるか、そして「ジャーナリズムや報道は何のために存在するのか」を考えてみてください。僕もあらためて考えてみます。

24日(土)の詳細は以下のサイトを参照。
http://apc.cup.com/index.html?no=14.1.0.0.21.0.0.0.0.0.

※以前別のHPに書いた記事もあります。こちらはご参考までに。適当に読み飛ばしてください。
http://www1.odn.ne.jp/watai/050114.htm
http://www1.odn.ne.jp/watai/050117.htm

…………………………………………………
綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai

映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
全国ロードショー上映中
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2005-09-23 02:42  nice!(1)  コメント(4)  トラックバック(3) 

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コメント 4

パンと植木鉢

更新されているのに気付かず9月20日のブログにコメントしてしまいました。繰り返しになり申し訳ありませんが、今日のブログの内容に近いと思われますので再度投稿します。失礼しました。

9月24日の元毎日新聞西山太吉氏のお話は是非伺いたい。
1972年当時、毎日新聞西山記者のスクープにより、沖縄返還の際、土地接収や事故補償など本来であれば米国が支払うべき補償(対米請求権)を日本政府が肩代わりしていた事実が明らかになった。いわゆる密約である。
しかし当時の佐藤内閣はこれを事実無根とし、立法、司法の手によって西山記者のスクープは取材方法のみを問題とされ、事実は矮小化されスリ替えられ無きものとされた。西山記者には国家公務員法違反で有罪判決 懲役4月執行猶予1年の判決が下された。そして当時のマスメディアは西山記者のことを面白おかしいスキャンダルとして書き立てるのみで、彼を一切守らなかった。メディア自身が経営も含め組織防衛に走り、ポピュリズムと化してしまったことは何にも増して恥ずべきことだった。
あれから30年、アメリカが開示した公文書によって西山記者のスクープが事実であった事が明らかとなり、西山氏は現在国家賠償請求訴訟を起こしておられる。
そしていま、NHKと与党の政治癒着を明らかにした朝日新聞本田雅和記者、フリージャーナリスト魚住昭氏が西山記者と同じ立場に置かれている。なんとしても彼らを守らなくてはならない。どのマスメディアも立場の違いを超えて彼らを守らなくてはならない。過去の愚を繰り返してはならない。
その為にも今回、西山氏にこの30年の苦悩の経験を教えて頂けるのは本当に有り難いことだ。歴史から学ぶとはこういう事をいうのではないだろうか。
以下参考文献(ごく一部です)
密約―外務省機密漏洩事件 中公文庫 M 9-2
澤地 久枝 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/ obidos/ASIN/4122005663/qid=112 7403281/sr=1-38/ref=sr_1_0_38/ 250-8933510-2935410
情報は誰のものか 岩波ブックレット (No.596)
筑紫 哲也 (著), 西山 太吉 (著), 細野 豪志 (著), 田島 泰彦 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/ obidos/ASIN/4000092960/qid=112 7403454/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/2 50-8933510-2935410
by パンと植木鉢 (2005-09-23 03:01)
by パンと植木鉢 (2005-09-23 03:19) 

大事の前の小事

西山記者のことは前にちらっとニュースで見ただけでしたので、今回ネットで事件について調べてみたんですが、これは果たして単なる「何らかの圧力からメディアは記者を守ってくれない」と言う話なのでしょうか?

西山事件 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%B1%B1%E4%BA%8B%E4%BB%B6

不倫関係によって情報提供者から情報を得たというのは本当ですか?
得た情報をまず報道するのではなく、なぜ社会党に提供したんでしょうか?

西山さんには巨悪を暴くという大義名分の下であれば、何をしてもいいという驕りがあったのではないですか?大きな目的のためなら多少の犠牲は仕方がないという考え方の恐ろしさを感じてなりません。もし本当に不倫関係を利用したというのなら、女性をただの道具と見ている節もあります。(皮肉にも「沖縄密約訴訟を考える会」呼びかけ人の中には一人も女性の名がありません)社会党に情報を流したということからはご本人の政治的な野心もあったのではないでしょうか。
倫理的ではない方法で取材しても、結局は巨悪に言質を与えることになり、本来の目的が果たせないではないですか。

この事件からは、正義を標榜するのなら、それなりの取材をしなければ何もかもが無駄になるという教訓を得て欲しいと思います。
by 大事の前の小事 (2005-09-26 07:19) 

報道カメラマンを目指す者

このような質問をここでしていいものなのかどうかわかりませんがとりあえず書きます。私は報道カメラマンになりたいと思っています。そして今、大学受験が目の前に迫ってきております。そこで大学で社会学系を学ぶべきなのかそれとも写真について専門的なこと学ぶべきか、もしくは別のなにかを学ぶべきなのか非常に悩んでいます。なので是非ともアドバイスを頂戴したいのです。報道カメラマンになるにはどのような道に進めばよいのか知りたいのです。よろしくお願いします。
by 報道カメラマンを目指す者 (2005-10-03 22:58) 

甘えんぼ

>報道カメラマンを目指す者
http://blog.so-net.ne.jp/watai/2005-08-04
質問する前に、ブログの記事全部読むくらいの貪欲さがないようじゃ、
報道向いてないんじゃないですか?
読んでるのにこのコメントが出たんなら、致命的。
自分の進路くらい、自分で調べて自分で結論出しましょう。
by 甘えんぼ (2005-10-04 03:59) 

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