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「生きている」映像

▼NHK教育テレビ「真剣10代 しゃべり場」
http://www.nhk.or.jp/shaberiba/
2月17日(金)午後11時30分~OA(19日・日に再放送あり)

※テーマは「地球に明るい未来はない」。https://www.nhk.or.jp/shaberiba/mes/20/12/form.html このテーマの提案者は15歳の女の子なのですが、すごい「大人」だった。僕が15歳のころ、いったい自分は何をしていたのか、何を考えていたのか、自分がそれを振り返るのも嫌になってしまいました。

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ようやくDVD「Little Birds」に関わる作業が終わった。
http://www.littlebirds.net/dvd/dvd.html

といっても、「僕の手を離れた」というだけで、3月24日の発売までにはまだいろんな作業や宣伝・告知などで、多くの方の作業は残っている。映画の製作というのは、テレビ番組の製作と違って、本当にあらゆる面でスパンが長い。生まれるまでの「陣痛」も長いが、「出産」後の「育児」期間も相当長い。編集はもちろん、完成した後の宣伝・配給、さらに映画館から各地での上映会などなど。そして、今度のDVD制作になると、またいろんな作業が新たに加わった。

映画本編の中身はもちろんそのままだが、日本語字幕・英語字幕などは、字幕切り替えシステムの都合上、実はもう一度最初から新たに入れなおす必要がある。加えて、今回は「バリアフリー対応」を目指したので、視覚・聴覚障害者向けの「解説・説明字幕」や「ガイド音声」も入れて、いろんな音声・字幕パターンを選択できるようになっている。

それから何と言っても「特典映像」。当初は「いくつかの未公開映像でも少し入れようか」などと話していたが、結局合計7本の項目になって、56分もの「特典映像」だ。【短編映画】と名打った「あのフセイン像を倒した男たち」は、以前「ニュースステーション」の企画で8分枠で放送したことがあるが、今回は物語の流れを相当パワーアップして、15分バージョンになっている。さらに、サマワの自衛隊の派遣2年間を「4章立て」で振り返った。「防衛庁未公認・非公式映像でつづるサマワ自衛隊の2年間」というところか。

これらに関わる作業には、本当に様々な方たちにお世話になりました。ありがとうございました。

封入される解説パンフレットには、新たに書き下ろしで原稿を2本追加した。タイトルは「この国の『立ち位置』~イラク戦争と日本」「映画『Little Birds』が羽ばたく まで」。

どこから数えるかにもよるが、去年の映画「封切り」時点(05年4月)から数えるだけでも、一年近くの「育児」期間は、ようやく終わりかな。これからは一人で羽ばたいてくれるかな。これまでは一瞬たりとも目が離せないような状況だったので、ほとんど僕はその間、「育休」状態に近かった。これからは「幼稚園」に通える状態ぐらいのまだ危なっかしい状態だが、僕は行きと帰りの「送り迎え」ぐらいで済みそうだ。なので、僕ははやく「職場復帰」するとしよう。

活字も写真も映像も、しばらく書いたり、撮ったりしていないと、だんだんそれらを扱うのが「恐く」なる。勘を取り戻すにはかなりの時間を要するので、ちょうどいまやっているプロ野球の「秋季キャンプ」に入るという感じか。

さて、映画本編で使わなかったシーンやカットをいろいろ探していたら、今ごろになってその映像の「意味」や「背景」、登場人物たちが語る言葉の中にも、新たな「発見」やら「予言」までいろいろあって、知的好奇心が結構そそられた。映像というのは撮り終わった後も「生きている」。

それらの映像の中で、思いがけない「再会」もあった。

イラクで亡くなったジャーナリストの橋田信介さんと小川功太郎さんと僕が3人で歩きながら話をしている映像が見つかった。時間にしてほんの5秒ほど。僕はまったく気づかなかったのだが、これはアジアプレスの同僚・玉本英子がホテルのベランダから撮影していたものだ。ちょうど04年4月の日本人人質・拘束事件が起きたころで、あのころは確かに取材から帰ってくるころ、ホテルの前で彼らとすれ違い、よく「立ち話」をしていた。その「立ち話」の内容は、以前別のHPに書いていた。http://www1.odn.ne.jp/watai/040530.htm

この映像の中では、僕も含めて3人は「笑顔」で歩いている。
映像の中では、橋田さんと小川さんは「生きている」。
だが、この映像の1ヵ月半後、彼らは車で移動中に襲撃され殺害された。

ところで17日(金)は、NHKテレビ番組の中でも10代後半ぐらいの人たちと話をしているが、その日はちょうど、関西のある高校で「リトルバーズ」を学校で観てくれた高校生の人たちと話をすることになっている。これはまた楽しみなのだが、その日東京ではどうしても話を聞いてみたい方が講演をする。根津公子さんだ。根津さんは中学校の教員だが、入学式で君が代の斉唱時に起立しなかったとして、東京都教育委員会から減給や懲戒処分を受けた方だ。

以前、このブログでも少しだけ書いたことがあるが、以下の日刊ベリタのHPを見てほしい。
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200506151114193

いまの学校の現場がどんなことになっているのか、何が起きているのか。
本当に残念で僕は当日は参加できませんが、ぜひ会場に足を運んでみてください。
以下、その案内を転載します。

▼「アジア記者クラブ 」http://apc.cup.com/ 2006年02月定例会
「なぜ私は君が代斉唱時に起立しなかったのか」 教育の政治利用に抵抗する教諭の声

2006年02月17日(金)18時45分~21時00分
東京・渋谷区勤労福祉会館 http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/sogo.html

ゲスト:根津公子さん(立川第二中学校教諭)
聞き手:保坂展人さん(衆議院議員)

「何も考えなければ楽しく過ごせるが、明日、何が起きるか分からない緊張感と隣り合わせの社会」。東ドイツで小学生時代を過ごした子供たちが成人して統一ドイツを表現した言葉だ。今、ひとりの戦後生まれの中学校教員が入学式で、君が代の斉唱時に起立しなかったとして、東京都教育委員会から減給や懲戒処分を受け、免職になる可能性があるという。その処分理由や質問に対する一切の回答がないという異常事態の中で、「再発防止研修」などと称して弾圧が繰り返し行われている。しかも、多数の公安警察官が監視することで威圧的する方法は、社会への見せしめとしか思われない。日本の教育現場で何が起きているのか。明かに憲法・教育基本法に違反しているにもかかわらず、大手メディアは相変わらず、都教委の言い分を伝えるだけだ。卒業式と入学式シーズンを控えた2月定例会は、「暴力が支配する社会にさせてはならない」と懲戒処分に抵抗の声をあげる根津公子さん(立川第二中学校教諭)をゲストにお招きします。聞き手は内申書裁判を闘った衆議員議員の保坂展人さんに務めていただき、日本の教育現場の活気を失わせている緊張感の根源について話し合っていただきます。

参加費:会員1000円、ビジター1500円(学生は会員500円、ビジター1000円)
※予約の必要はありません。どなたでも自由に参加できます。
※お問い合わせはアジア記者クラブ事務局まで。

チラシのダウンロードhttp://apc.cup.com/apc200602.pdf

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綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai

映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
全国各地で上映中
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2006-02-14 03:54  nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 

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岡まさはる

 「しゃべり場」のコト。「地球に明るい未来はない」の彼女にはびっくり。逆にこんな成熟した15歳がいることに私が勇気付けられた。でも、その彼女が最後のコメントで、やっぱり、「地球に明るい未来はないかなあ・・。」と言ってたけど、そんな彼女に、大人がそれでもあきらめない、という姿勢を見せなきゃいけないよなあと思った。18年ぐらい前、自分は、京都の公立高校に通学していたのだが、あの頃の先生たちが、校門の外で、君が代・日の丸反対のビラなどをよく、配っていたりした。その時は、この先生たち、何やってんだか?!ぐらいしか思わなかったんだけど、今、その意味が理解できるし、自分が結構それと似たようなことをあまり抵抗なくできるのは、あの頃の先生たちの影響だなあ。けっして勉強のできる生徒ではなかったんだけど。根津さんのような教師が現場でがんばっていることにも、大いに勇気付けられる。綿井さんが「しゃべり場」で最後に話していたこと、「大人が損・得で動く今の社会が子どもにそのまま反映している、そんな社会はいけない」というようなことだったと思うが、そうなんだよなあ、でも、自分も余裕がなくて、結構、損・得で動く時あるよなあと反省。弱い自分を見つめつつ、少しずつでも、子ども達のために強い大人になれるようにがんばらなきゃね。
 「しゃべり場」の医者志望の彼が「永田町の人達が戦争とかのことを考えればいいんだ」といったことに対し15歳の彼女が、「その永田町の人達を選ぶのは、私たちなんだよ。」と反論してたこと、あれが、良かったなあ。
by 岡まさはる (2006-02-18 13:11) 

大阪の柴田です。

ご無沙汰してます。
「しゃべり場」、見損ねてしまって。。。残念。

実は“根津公子先生”のことで、コメントしました。
僕の担当している学生が、昨年、「日の丸・君が代と、学校」を
扱ったドキュメンタリーの制作で、根津先生を取材していました。
僕自身も一度お会いしてみたいと思っています。
そのインタビューの中で、根津先生が、
「結局、差別なのよね。そのために色んな理由がある」
と言われてたのが印象的でした。
by 大阪の柴田です。 (2006-02-23 20:14) 

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