SSブログ

栄文さんの世界

昨日は久しぶりにちゃんとテレビで、ドキュメンタリーを観た。

一時間半の間、本当に画面に「釘付け」だった。番組が終わってからはテレビに向かって一人で拍手をした。こんなことは初めてかもしれない。終わってから、録画したビデオテープのラベルに、大事にタイトルを書いた。「テレビドキュメンタリスト・木村栄文の世界」(NHK・ETV特集 2006・6・3)http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2006/0603.html

テレビの先人が作り上げた作品の数々は、記録であり、芸術であり、ユーモアでもあり、この国の「断面図と鏡」だった。番組の中で、栄文さんの妻や息子・娘も、ちゃんとドキュメンタリーを語っている部分が興味深い。この番組を取材した渡辺さんというNHK福岡局のディレクターもまた、テレビドキュメンタリストとして見事に栄文さんの世界を描ききった。

優れたドキュメンタリーの前では、いかなる「ドキュメンタリー論」よりも、「メディア批判」も、太刀打ちできないな。だから、テレビは都合のいいときだけ「公共性」「言論・報道の自由」なんぞ言っても意味がない。もし普段からちゃんとやっていれば、こう言えば視聴者も納得するだろう。

「いまうちでやっている番組が公共性なんです」
「言論・報道の自由がなぜ必要かは、うちの番組を観てもらえればわかると思います」

で、その日の裏番組で「いま現在のテレビ」が何をやっていたか。

「安倍官房長官悲しむ!! カカオ農園で働く6歳」(新聞のラ・テ欄から)
http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2006/06-176.html

こんな番組を作っている人たちは、安倍長官をゲストに呼ぶことに同意したスタッフは、栄文さんが飛び込んだ川に1500回ほど飛び込んでから、テレビのお仕事をしましょう。あなた方は「アルツハイマー病」なので、いますぐ脳に電極棒を入れてもらいましょう。まずは横浜の「放送ライブラリー」にいって、栄文さんの過去の放送番組を見てみよう。「RKB毎日放送」で検索すれば、いくつか見ることができる。http://www.bpcj.or.jp/ 人に言う前に、まず自分から観ようっと。番組リストはこちらをご参考に→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E6%9D%91%E6%A0%84%E6%96%87

さて、読売新聞の記者がイラク南部に入っているようだ。http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4500/news/20060601i208.htm

英軍に従軍する取材方式だが、サマワの現地ルポ(2006年6月3日付)などは大変興味深い。ネット上では見れないのが残念だが、「生活2年たってもよくならない」「陸自への不満募る」という見出しのサマワ記事は、やはり防衛庁の「広報・PR」http://www.jda.go.jp/j/iraq/iraq/index.htm とは訳が違う。昨年7月に僕が訪れたときも同じような「街の声」が多かったが、さらにそれが拡大しているのかもしれない。

ネット上ではすべての記事が読めないので気づかないかもしれないが、新聞の紙媒体の方ではこの一年ぐらい、イラク関係の、特に政治に関わる動きは読売新聞の【カイロ発】の記事がとても充実している。

…………………………………………………
綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai

映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
DVD発売・各地で上映中
…………………………………………………


2006-06-04 22:46  nice!(0)  コメント(6)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 6

神森

掲載のあった番組は見損なってしまったのですが必ず観る機会を作ります。
一般人の私は『創作だ!』と言わしめるドキュメンタリー番組を見ていますが、綿井さんにとっては観ている事になるのでしょうか。はやく英文さんの番組を観たい心境です。
by 神森 (2006-06-05 11:57) 

kimura

私もその番組を見逃してしまいました。(しばらく風邪をひいて寝込んでいたので・・・)とても残念です。再放送とかあるとうれしいんですけど。
その裏番組でやっていたのって、私は実際に見ていないのでなんともいえませんが、きっと多くの人が見たんだろうなあと思うとなんだか・・・
ちょっと・・・。皆、番組を見ているつもりでも、気がつかないうちに広報を見せられているのかな、とか思うとちょっと怖い気がしています。
by kimura (2006-06-07 02:10) 

T

ジョージ・オーウェルのこんな指摘がありました-英国における文章の検閲で不気味なのは、それがたいてい自発的に行われるという事実である...政府が干渉したからではなく、こういう事に触れるのは「まずい」という暗黙の了解によって葬られてしまうのだ...英国の新聞の社主は、大部分が、ある種の重要問題についてはどうしても正確な事実をつたえるわけにはいかない金持だからである...-「動物農場」序文(1945)
ヘンなことを前にしてもズボシを言ってはいけない...多感な頃にすでにそう刷り込まれてもいるのでは?大手メディアなど、一見激しく詰め寄ってる風でも決まってズボシは外すし。つまり「決定力」不足。
それがね、サッカー日本代表にも伝染しているわけですね(笑
by T (2006-06-07 13:13) 

田仁

「チョコレートは子供(労働者)の血と汗と涙」と知ってはいましたが、ゲストの選定は寒くて。ワザワザ廊下をお取巻き引き連れて堂々と歩く官房長官の画面が出た瞬間にチャンネルを避けてしまいました。ネット上の話では長官は統一教会の福岡合同結婚式に祝電されたそうですが。
by 田仁 (2006-06-07 18:12) 

(´・ω・`) ・・・・・・

(´・ω・`)これ見ましたがな・・・・・・
(´・ω・`) フジから逃れて見ましたがな・・・・・・

栄文さんもスゴイけど奥さんの静子さんが素晴らしい人なんだよね。夫婦仲メチャクチャいいしね。亡くなったお嬢さんの優さんも稀に見る温かい人で・・・・・・。
栄文さんって優れたドキュメンタリストという以前に人間として家庭人として愛情溢れる人なんじゃないのかな?これがドキュメンタリストの必須条件のような気がしたよ。絶対テクニックなんかじゃないよね。

映像は対象を撮る前に撮り手の人間性を写すから怖いがな(´・ω・`)
・・・・・・
by (´・ω・`) ・・・・・・ (2006-06-08 23:25) 

M.Murata

録画していたのをようやく見ました。
35年以上も前から日本のテレビ界にこのような方がいたとは、と
私も食い入るように見ました。
「人々の声なき声を汲み取る」とナレーションが入っていたのですが、
そこで納得しました。
「声なき声」だからこそ、創り手が代弁しなければならず、
だからこそ虚構(言葉が悪ければ創作)が入り、虚構を通して真実が伝えられるのです。

翌日、池田佳代子さんのトークイベントに参加していたのですが、
彼女は怒っていました。
「世界がもし100人村だったら」が政治に利用されたと。
本当に本当に怒っていました。
by M.Murata (2006-06-10 09:38) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

 

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。