SSブログ

【3月11日=続・戦火のバグダッドから その1】


4年前にサダム・フセイン像が倒された場所。その後すぐに「自由と希望」の像が建てられたが…(3月11日=バグダッド市内で)

イラク戦争開戦からまもなく4年。

現地時間で11日(日)午前、バグダッドに到着した。気温が13度。ちょうど一年前にもバグダッドに来たが、当時と比べると格段に暖かい。日本と同じくここも「暖冬」なのか。ここに来る前に立ち寄ったアンマン(ヨルダン)も例年より暖かかった。

気候は穏やかな時期を迎えたバグダッドだが、街の状況は手に負えない「熱さ」になっている。みんな本当に怖がっている。みんな本当に国外脱出を考えている。でも、それが実際にできる人は限られている。「いつか、誰かが殺される」という確率ではなく、「いつも、誰かが殺される」。街中から外国人が消えたいま、危険な場所にいるのはイラク人だけ、そして死ぬのもイラク人ばかり。米兵の死者の数どころではない。外国メディアはもちろんのこと、地元イラクのテレビ局スタッフもバグダッドの街では護衛付きで移動・取材をするほどになっている。この状況下では僕が自分で撮影することは不可能だろうか。

1年ぶりに僕のイラク人通訳や友人たちと何人かは再会できた。みんな何とかギリギリのところで生きている。しかし、気になっているのは映画「リトルバーズ」の主人公たちのその後。http://blog.so-net.ne.jp/watai/2006-03-21 去年は無事再会できたが、今年はできるかな?何せ彼らが住んでいる地区には、もはや地元イラク人でさえも怖がって行きたがらない。あのアリ・サクバンは携帯電話を落としたのか、ここ数ヶ月全く電話がつながらない。自宅の電話にも誰も出ない。いったいどうしたんだ?だが、何とか探し出してみせる。

4周年の20日前後には共同通信から原稿を配信する(各地方紙に掲載されます)。その後も何本かに分けて原稿を書く予定。テレビはどこか一、二回ぐらいはリポートできるかな。去年の今ごろは野球のWBCで日本が盛り上がっているころで、ほとんどお呼びがかからなかった。

一年前にはこちらからほぼ毎日日記を書いていた。http://blog.so-net.ne.jp/watai/archive/200603 今回もなるべく毎日更新したい。4年前の開戦当時に共同通信から配信した連載企画(全8回)のタイトルが「戦火のバグダッド(から)」だった。このタイトルがとても気に入っていて、拙著「リトルバーズ」のサブタイトルにも付けた。今回はその「続編」ということで。

バグダッドに来るまで、連日早朝の移動続きで眠いぞよ。また明日。

…………………………………………………
綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai

映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
DVD発売・各地で上映中
…………………………………………………


2007-03-12 04:47  nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 2

奥山

今日、長崎での3.21アジアプレス野中さん講演会の記者発表しました。新聞の記者の人たちから、イラクの映像はあるのですか?ときかれてしまったのですが・・。(あるんじゃないですか??といいかげんに答えてしまったが・・。)
 どうぞ、お命大切に。サクバンさんたちも心配・・。綿井さんの体も心配だけど、やっぱり、しっかりイラクの現状私達に伝えてください。お願いします。日本にいる私達に、自分らも加担した側だ、という認識はほとんど無いです。せめて、今もイラクは戦場なんだということぐらい、日本人は認識せんばいかん。戦争の実態を知れ!民間人が一番に犠牲になるんだということを知れ。
もし、イラクで玉本さんもご一緒ならば、よろしくお伝えください。
by 奥山 (2007-03-12 23:09) 

Koni

とうとうバグダッドに着かれたのですね。サクバンもハディールちゃんもどうしているのか・・・彼らの存在を知ったのもその想いを知ったのも伝えてくれる綿井さんがいてのことなので、ただただ無事を祈っています。
by Koni (2007-03-12 23:47) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

 

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。