【3月28日=続・戦火のバグダッドから その17】
イラク北部の街タル・アファルで住民多数が殺害された。死者はこれまでのところ「50人以上」と報じられているが、地元のニュースではさらに遺体が発見されて死者数がもっと増えそうだ。これまで度々起きた爆弾によるものではなく、銃による処刑に近い。http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070328i115.htm
「明日からお互いに気をつけよう。バグダッドでこの事件の『再報復』が起きるかもしれないから」
午後8時、僕の通訳は夜になってから、そう言って電話をかけてきた。確かにそうかもしれない。バグダッドは明日から恐らくさらなる厳戒態勢が敷かれるだろう。イラク軍と米軍の掃討作戦が続いているが、これによって武装組織や民兵がバグダッドを離れてイラクのほかの地域で活動を広げつつあるのかもしれない。去年はちょうどバグダッドに来る前の2月に、イラク中部サマラでシーア派聖廟が爆破され、そして宗派対立が激化し始めた時期だった。
状況が良くなる方は徐々にしか変わらないが、悪くなる方は何かをきっかけに一変する。
3月18日撮影=バグダッド市内では最近オートバイに乗った男と、自転車に乗った子どもたちをよく見かける。街のあちこちに検問があって車はいつも渋滞。しかも車爆弾攻撃を恐れて駐車できる場所は極めて限られている。オートバイと自転車が確かに便利だ。一方で最近のイラク軍・警察の検問は「オートバイに乗った男」を重点的に行っているという。
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綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai
映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
DVD発売・各地で上映中
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