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「メディア・ミックス」

本当はきょう(29日)から、韓国の「EBSドキュメンタリー映画祭」に行っているはずだった。
http://www.eidf.org/2005_fall/eng_temp/program_02.html

ところが、サマワの映像リポートを「報道ステーション」(テレビ朝日系列)でようやく放送することになり、その編集作業とやりとりのために、韓国行きを延期した。

放送は来週の9月5日(月)あたりが有力ですが、まだ流動的で確定していません。今週中のどこかで、なんとか韓国にも参ります。31日(水)に韓国・ソウルで上映されます。

さて、先週は映画上映で、大阪・山口に行ってきた。
山口では、昨年5月にイラクで殺害された小川功太郎さんの母堂にお会いした。昨年、都内で開かれた橋田さん、小川さんのお別れ会でお会いして以来になるので一年ぶりだった。
以前のHPから→http://www1.odn.ne.jp/watai/040530.htm

映画の上映会場の控室でお会いしたが、話はあまり弾まなかった。
あれから一年が過ぎて、事件当時よりも、いまの方がイラクのニュースや映像を見るのがつらいとおっしゃっていた。無理もない。その日は結局上映前に会場を後にされたが、「いつか必ず見ます」とおっしゃってくれて、僕も「いつか必ず見てください」と同じように答えた。

2年半のイラク戦争での記者たちの死者は、ベトナム戦争の20年間の数を超えたという。
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=IBR&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2005082901000767

そのうちの66パーセントがイラク人だった。日本人もパーセント割合でいくと、米国の次で3パーセントを占める。
http://www.rsf.org/IMG/pdf/Etude_Irak_Eng_PDF.pdf

そしてまた28日、イラク人のテレビクルーが米軍に銃撃され殺害された。
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=IBR&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2005082901000556

「イラクで亡くなったジャーナリストやカメラマンの背後には、彼らが伝えようとした無数の人間たちの死が累々と横たわっている。死者たちは訴える手段をもたない」(「フォトジャーナリスト13人の眼」=集英社新書)http://www.jvja.net/shueisha.html

昨日の深夜、NHKの再放送で「オレを覚えていてほしい」
http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2005/0723.html
http://www.publiday.com/blog/adrift/
を寝る前に偶然、たまたまみつけて、そのまま最後までずっと見た。久しぶりにちゃんとテレビを見た。BBSを見ると、僕と同じように「偶然」見た人があの時間帯であっても、いやあの時間帯だからこそなのか、相当多かったようだ。
http://6323.teacup.com/alteditor/bbs

テレビという媒体はこうやって、全国の様々な人たち、幅広い年齢層が「たまたま、偶然」出会う可能性は、ほかのどのメディアよりもまだまだ高い。そして何かの「きっかけ」になる可能性を占めている。映画も新聞も雑誌も、ネットでさえも、日本ではまだテレビには及ばないだろう。

昨日の番組は、奥山貴宏さん自身の言葉、ブログに寄せられた様々な人たちからの書き込み、彼が撮った写真、そして友人が撮影していた奥山さんの映像が見事に組み合わさった「メディアミックス・ドキュメンタリー」番組だった。

どこかのテレビ局が毎年やってる「24時間テレビ」はもう見なくていいけど、テレビはこんなドキュメンタリー番組を作るために、見るためにこそ存在する。まだいろんなことができるはずなので、本当に「もったいない」。なので、僕もたまにはちゃんと関わるし、たまにはちゃんと見るようにする。

活字も映像も写真も、まだまだいろんな可能性がある。
活字も映像も写真も、「死なない。ずっと生きている」。

…………………………………………………
綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai

映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
全国ロードショー上映中
…………………………………………………


2005-08-29 23:14  nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 

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コメント 2

masami

「活字も映像も写真もまだまだ可能性がある」、確かにそうかも知れません、ただ、某新聞社による捏造記事にも今後起こらない可能性はありません、伝える側のモラル、特に当該新聞社は問題があると思われます、貴殿はどうおもわれますか?
by masami (2005-08-30 18:00) 

kyoko

 先日、山口・宇部会場での上映会に足を運ばせていただきました。
頭をかなづちで打たれたような刺激を受け、いろいろいろいろ考えされられました。ありがとうございます。
 書きたいことはたくさんありますが、ひとつ、連続する衝撃の場面の合間に、「人」を感じられる内容がたくさんあり、安心しました。
 講演会で聞きたかったことがあります。120時間の撮影というのはいつかドキュメンタリー映画に・・・との思いでとられていたのですか。それとも報道のためだけに撮影された中からですか。
 機会があればまた教えてください。
 記事と関係のない内容で失礼いたします。
 
 
by kyoko (2005-08-30 23:03) 

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