綿井健陽の“逆視逆考”PRESS: 【３月１７日＝続・戦火のバグダッドから　その７】

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【３月１７日＝続・戦火のバグダッドから　その７】 [編集]

今日のバグダッドは午後から砂嵐と雨に見舞われた。ホテルの中でさえも何度も停電する。こんなときに乗るのが怖いのがホテルのエレベーター。停電すると急にガクンと止まってしまう。すぐに復旧するからいいけど、エレベーターのメーカーはよく見るとあのシンドラー社だった！しかし、街中はもっとひどい停電がこの４年間ずっと続いている。今では自家発電機を持っている人も多くなったが、肝心のガソリンがなかなか手に入らない。

相変わらずガソリンスタンドには長蛇の列だ。この光景だけは４年間ずっと変わらない。以前は路上であからさまにガソリンを売っている人も多かったが、今では隠れて売られているという。２０リットルで１８０００ディナール前後というから、通常の２倍以上の値段だ（１ドル＝約１３００ディナール）。街中が停電すればもっと値上げするというから足元を見ている。そういえば、以前夏の時期に氷売りも停電になるとちゃっかり値上げしていた。ガソリンスタンドでは１リットルが４００ディナール。去年は２５０ディナールだった。フセイン政権では１００ディナール以下だったから、当時は水よりも安くていくらでも手に入った。

僕は車を運転しないので詳しくは知らないが、日本でもいまガソリンは高いはずだ。飛行機のチケットにも「オイルチャージ」が加算される。いま世界的に原油は高騰しているというが、ここイラクは世界第３位の原油埋蔵量があるはずなのだが、国内に行き渡らないとはどういうことだ？３月１３日付けの地元紙「ザマン」は、「最後に石油だけがイラクの人々に残るだろう」という皮肉を込めた見出しの記事を掲載していた。

３月１６日撮影＝バグダッド市内で。休日に車を洗うのはどこの国も一緒。ちなみにこの車はベンツ。以前からイラクはベンツとＢＭＷがたくさん走っている。最近は日本製の車よりも韓国の車が安くて人気だという。