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「情報保全隊 万歳!」

石原慎太郎が脚本・総指揮の映画 http://www.chiran1945.jp/ の感想を書こうと思ったのだけれど、実際に観てあまりの下らなさに愕然としてしまった。本当に石原がこの映画の脚本・総指揮したのだろうかとさえ思った。すべてのシーンと会話にリアリティがまったくなく、役者の表情と演技もホントに「作り物」だった。「戦争美化」でも「靖国礼賛」でも、別に何でもいいからせめて面白くして「感動」させてほしい。この映画は予告編とチラシを観ればそれが全てなので、感想を書くまでもないというところだった。恐らくこれと対極に位置するだろう映画「特攻」の方に期待したい。http://www.cqn.co.jp/movies/#tokko

それよりも素晴らしい「作り物」の映画を発見した。オムニバス映画「それでも生きる子供たちへ」だ。http://kodomo.gyao.jp/intro/ オムニバスって、今まであまり面白い映画に出会ったことがなかったのだけど、これは違う。各編の子どもたちの一瞬の表情や会話に、ときに戦慄させ覚えさせるリアリティがあった。一見ありふれたストーリーのようで、一つひとつのシーンが現代社会のリアリティを奥深く映し出している。特に最後の「桑桑(ソンソン)と小猫(シャオマオ)」が秀逸。

共産党が公表した例の資料に関してなんだけど、僕の友人や知り合いの名前が結構出てくるので、その周辺までは「怒っている」のだが、果たして世間的にはどうなのかな?http://www.jcp.or.jp/tokusyu-07/19-jieitai/index.html

共産党のHPを見ると、「全国的に大きな衝撃が走り、驚きと怒りの声があがっている」と書いてあるが、その実感には乏しいな。あえて言えば、こういうのって自前で書くと逆にリアリティがなくなって幻滅するので止めた方がいい。映画の宣伝でよくある「全国に感動が広がった」みたいなものだ。「全国」「日本中」はそれほど狭くはない。あっ、でも僕も自分の映画で客が全然入っていないのに「大絶賛上映中!」の宣伝をしていた。ゴメンなさい。

実は僕も何人かの人からこの件で感想を求められたのだが、正直なところ「まあこれぐらいのことは自衛隊も当然やってるだろう。そもそも権力は何だってやるのだから」とぐらいに認識している。

今回の件で思ったことは、自衛隊って、そういう『反自衛隊』的な集会をこまめにチェックしているんだなあ。結構暇なんやなあ。それに動員される情報保全隊の皆さんが逆に哀れで同情してしまう。自衛隊はこの手の集会や催しを意外に気にしていることがよくわかったから、この手の集会を開く意味は実は大きいんだな。だったら、逆にもっと活用できないかな~などと思っている。

念のために言うが、「自衛隊がやっていいこと」では確かにない。「やってはいけないこと」だとは思う。しかし、こんな動きに関してはこのご時世、逆にもっと利用してしまえ!

これから自衛隊に関する催しや集会を開くときは、受付に「情報保全隊 受付」台を用意する。あらかじめ防衛省に催しを告知して情報保全隊の皆さんを積極的に招待する。そして集会の中では必ず「情報保全隊の方がいらっしゃれば、何かご意見をぜひ」と呼びかける。最後は「情報保全隊の皆さん、本日はご参加ありがとうございました。ちゃんと防衛省に報告してくださいね」と逆のプレッシャーをかけるとか、そういうユーモアと笑いで対応していいんじゃないかと本気で思っている。

しかし、東京新聞の見出しにあった「民主主義への挑戦」みたいな言葉・反応は、果たして世の中の向こう側まで届く言葉なのだろうか。「挑戦」だったら別にこちら側は受けて立てばいいだけなのだから。「怒る側」ももうちょっと気の利いたメッセージ他にないのかなとも感じている。でも、新聞的には真正面から怒るしかないか。もっと効果的な方法はないかな。それにしても、共産党は本当に偉い。絶対に支持する。本来報道やジャーナリズムの側が暴露しなければならないことを、代わりにやったのだから。

ここまで書いてきて、少し不安になってきた。もっとちゃんと「ジャーナリストらしく怒った」方が世間受けするのだろうかなあ…。「反自衛隊」の市民団体には講演とか上映会では結構お世話になったしなあ。でもなあ、怒り方も表現なのだから、それぞれ違うからなあ…。何かこれを逆手に取って面白い「攻撃」できないかな…ブツブツ。

実は、あなたの会社や組織・団体にもありませんかねえ。「情報保全隊」って。そっちを探してみるのはどうだろうか。今年の流行語大賞になるぐらいでほかに波及すれば、今回の件は鏡のようにも見えてくる。

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綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai

映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
DVD発売・各地で上映中
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2007-06-09 19:37 

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