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【映像協力:陸上自衛隊】の裏側

28日(月)にTBS系列「NEWS23」のマンデープラス(一部地域では別番組)http://www.tbs.co.jp/news23/onair/monday/index-j.html
をご覧になった方は、ちょっと驚いたのではないかと思う。

イラクに派遣された福岡の陸上自衛隊員の家族を追った番組だったわけだが、驚いたのはその内容ではない。その中に出てくる自衛隊員の活動の様子の映像を、誰の依頼で誰が撮っているのかということだ。

この番組の取材・製作は福岡の「RKB毎日放送」http://www.rkb.ne.jp/の報道局だった。その隊員が派遣される前の様子から、サマワ宿営地の中、そして帰国するまでの3~4ヶ月の間のスパンで追っている。確かに福岡で夫の帰りを待つ家族はテレビ局が取材・撮影している。しかし、派遣されている隊員のサマワ宿営地での様子で何度も出てくるので、「おや?」と思った。しかも、彼が顔を洗ったり、歯を磨いたり、食事をしたり、風呂に入ったり、担当する通信業務を行っている様子が、何度もワンショットで、明らかにこの隊員に狙いを定めて撮影している映像が流れていた。

誰が撮影したのかそのクレジットがずっと流されないまま、番組の最後でようやく出てきたクレジットが「撮影協力:陸上自衛隊」だった。なんじゃこりゃ?

これまでもサマワの陸上自衛隊の活動の様子の映像や写真がメディアで使われたことは何度もある。現在、サマワには日本のメディアは誰も常駐しておらず、サマワの自衛隊の広報が撮影した写真や映像が、現地から防衛庁に送られ、それが防衛庁の記者クラブで配られるというシステムだ。詳しくは「DAYS JAPAN」04年9月号http://www.daysjapan.net/dj/bknm/200409.html に書いたが、新聞がその写真を掲載するときは【陸上自衛隊提供】【撮影 陸上自衛隊】などのクレジットは少なくとも必ず入っていたし、テレビ番組でも必ずそうした映像には随時【陸上自衛隊提供】の字幕スーパーが入れられていた。

ところが、今度は【映像提供】ではない。【映像協力】になっている。
この変化が何を意味するのか?

さっそく防衛庁の陸上幕僚監部・広報室に電話で問い合わせると、「福岡の放送局からの要請に応じて撮影しました。以前も別のテレビ局からの依頼でやったことがあります」との返答。取材・製作したRKB毎日放送・報道局に問い合わせてみたが、「これは特殊な例ですが…」と言いながらも、やはりそれは確かだった。

これまでのような防衛庁から各メディアに向けての映像・写真の配布ではなく、放送局からの依頼に応じて、自衛隊の広報が個別に撮影したということだ。

陸上幕僚監部の広報室によると、「サマワに日本のメディアがいない状況で、我々の活動を知ってもらうために行っている」ということだが、どんなメディアの撮影依頼にも応じるのではなく、「その内容によって判断します。自衛隊の活動にとってマイナスに使われないような場合ですね」という答えだった。つまり、自衛隊の活動に批判的な内容や、自衛隊の「マイナスイメージ」が伝わる内容であれば応じないという。まあこれは彼らの言い分としては無理もないかもしれぬ。彼らは立場的に「広報」なんだから。

しかし、問題は「広報」の側ではなく、それを「報道」する側だ。
何度も言うがその映像の内容ではない。自衛隊が撮影した映像を絶対に使ってはいけないということでもない(僕もテレビ番組の中で自衛隊が撮影した写真を使用したことは過去にある)。

この問題は、そうした自衛隊の広報が撮影した映像を、報道番組でノークレジットで映像を流すということにある。あの番組を見た人は、恐らくTBSが撮影したものと思っている人も多いだろう。最後だけ「映像協力:陸上自衛隊」の説明を入れても、どれが自衛隊の広報が撮影した映像なのか、さっぱりわからない(実際には番組中のサマワの自衛隊員の映像は、ほとんど自衛隊の広報が撮影したもの)。

テレビ局が契約している外国通信社や、番組プロダクションの撮影映像であれば、話は別だが、本来監視すべき、自衛隊当局の広報から映像を「お貸し下げ」てもらい、しかも今回はある特定の隊員を中心に撮影の「依頼・要請」までするとは…

これって報道なのだろうか?

いくらサマワの自衛隊員の様子の映像が番組の構成上、「絵・画として」必要だからといって、報道機関が自衛隊の広報に撮影依頼して、その映像を説明(クレジット)なしで流して番組つくってどうすんねん?

【陸上自衛隊提供】【撮影 陸上自衛隊】から、【映像協力 陸上自衛隊】へのわずかな文字の変化だが、これは「広報」と「報道」の区別さえできなくなったメディアの姿を表しているのか。

「こうなるとジャーナリストはコピー業、情報運搬業である。リポーターからポーターへ、知的判断もあまりいらなくなる。(中略)カメラマンは知性が邪魔になり、゛シャッターマン゛からさらには、目標をアタックしさえすればよい゛ヤッターマン゛に転落しているという」(「新聞記者の処世術」原寿雄 晩聲社)

「映像撮影」を自衛隊の広報に頼んで、その映像を「ポート」してもらって流すのならば、それは「リポート」ではない。防衛庁のHPを見れば、「広報」はいくらでも流れている。http://www.jda.go.jp/jgsdf/iraq/iraq_index.html
「日米同盟」「在日米軍と自衛隊」の一体化と同じような「広報と報道の一体化」体制になったことを表しているのか。

「広報」の内容を、自分たちで確認したり、調べたり、ときに批判・批評したり、間違いを指摘したりしてから、世の中に伝えるのが「報道」「リポート」なんじゃないのか?

サマワの自衛隊を「報道」「リポート」するための方法はただ一つ、そこに記者・カメラマンを置くしかない。僕らのようなフリーランスが、たまに訪れて取材するのももはや限界だろう。(そもそも、今年7月に僕はサマワに行ったけど、宿営地の中の取材はシャットアウトだった)その詳細は、月刊「創」http://www.tsukuru.co.jp/11月号の座談会(「メディアが取材できないサマワの自衛隊」 宮嶋茂樹×原田浩司 ×綿井健陽)をご覧下さい。

「メディア・スクラム体制」は事件の遺族や家族に対して「集団的加熱」でやるのではなく、サマワの自衛隊の宿営地の中を取材できるように、防衛庁に「メディアスクラム体制」で要請することが、本来やるべきことだと思うのだが。そのために「記者クラブ」があるんじゃないの?

自衛隊のイラク派遣は、まもなく「2度目の派遣期限」、12月14日を迎える。

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綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai

映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
全国ロードショー上映中
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イラクの死者の数

▼12月10日(土)東京大にて催しがあります。ぜひお越し下さい。
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/research/symposium/2005/10.html

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映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」の封切り直前の4月中旬、HPに以下のようなことを書いた。http://www1.odn.ne.jp/watai/050423.htm

「イラクボディカウント」の推計で、当時イラクの民間人死者は2万人を越えていた。開戦から2年目だった。http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200504210933474

そしていま、イラクの死者は最小でも2万7000人、最大では3万人を超えている。http://www.iraqbodycount.net/ 

あれから7ヶ月の間に、7000人~1万人以上の死者が積み重なったということだ。空爆・攻撃・戦闘・自動車爆弾・自爆などなど、様々な「方法」で人が殺されていった。

もっともこれはあくまでも「推計」であって、「公式」の記録ではない。米兵の死者と違って、イラクの人たちの死は正確にカウントさえされないような状況だ。「民間人」「軍人」「武装勢力」といったような区分けさえ、実際のイラクでは通用しない。米軍の空爆・攻撃による死者はいつも「武装勢力××人を殺害」と発表されるから。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051124-00000015-mai-int
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050910-00000149-kyodo-int

イラクの政治プロセスが進められる一方で、イラクの人たちの前で、その政治は立ち止まらない。むしろイラク内部での対立が深まった。ただ、自分の周りで死者だけが増えていく。なぜこんなことがずっと起こるのか、誰も説明できない。かろうじて、いま自分は生きているが、明日どうなるかわからない。イラクはいまそんな「日常」が続いているのだろう。

「Little Birds」の英語版のサブタイトルは、「How many chirdren have you been killed in Iraq」になっている。人の死は本質的には数の問題ではないが、この問いかけに誰か答えられる人はいるのだろうか?

「いまイラクでは誰と誰が戦っているのですか?」

去年の年末だったか、確か新潟の講演で会場の男性から受けた質問に、僕はうまく答えられなかった。イラク戦争が始まる直前には、バグダッドのあるタクシー運転手が言っていた言葉が忘れられない。http://www1.odn.ne.jp/watai/030312-a.htm

「誰と誰」「どことどこ」といったような次元ではない。以前も書いたが、これは「治安の悪化」というレベルではなく、あらゆる人が最前線に追い込まれる「戦争の悪化・激化」としか言いようがない。現代の戦争は、あらゆる図式や構図さえも通用しない。すべてが破壊されていく。

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公式HP http://www.littlebirds.net/
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福岡で「多重世界」に浸る

普段東京に住んでいるので、東京での催しの告知はこれまで何度もしてきた。が、今回は特に福岡など、九州地区の皆さんに、いや、札幌でも東京でも大阪の方でも、もし福岡を訪れる機会があればぜひ行ってみてほしいところがある。今週27日までの会期で、ちょっと遅すぎたかもしれないが、まだなんとか間に合うのでぜひ!

それは、福岡の「アジア美術館」で行われている「トリエンナーレ2005」だ。
http://faam.city.fukuoka.jp/FT/2005/index.html

「トリエンナーレ」とは、「3年ごとに開かれる国際現代美術展」という意味なのだが、先月福岡に行ったとき、僕もたっぷり4時間ぐらいかけて見てきた。テーマは「多重世界」。
http://faam.city.fukuoka.jp/FT/2005/theme.html

アジア各国のたくさんの作品が並んでいるのだが、とりわけ僕はインドとパキスタンの映像作品の前で何度も立ち止まった。両国の紛争や対立に対するメッセージが、様々な表現方法で描かれており、「戦争」へのイメージが別角度からリアルに浮かびあがる。
たとえば、
http://faam.city.fukuoka.jp/FT/2005/artists.html
http://faam.city.fukuoka.jp/FT/2005/artists/india.html

HP上でも作品の「説明」がされているので、それを読むとわかったつもりになるかもしれないが、実際に会場で「見る」「体感する」行為とはまったく別物だ。

その「見る」「体感」の圧巻は、中国のヤン・ジェンジョン氏の「囲まれる」という映像作品だった。
http://faam.city.fukuoka.jp/FT/2005/artists/china.html

360度囲まれたスクリーンの前で、様々な人の顔が自分に迫ってきたり離れたりする。それはある種の「恐怖」であり、否が応でも緊張する。そして中央で撮影するヤン氏の荒い呼吸とたじろぎも、そこにいる自分の気持ちもまさに重なる。

だが、ここで僕は気づいたのだが、その部屋の中央にいると、周りを囲む人の顔にただ圧倒されるだけなのだが、その中央からちょっとずつスクリーンに向かって歩いていくと、下から徐々に自らの影が伸びてきて、そしてスクリーンにその影が浮かび上がって、彼らの顔と重なる。すると、なんだか急にさっきの「囲まれる恐怖」が消え、彼らの顔と表情が自分のその影と重なるのだった。

しばらくの時間、僕はずっと一人でそこに立っていた。360度囲まれた映像のなかの表情と自分の影をずっと見ていた。

ほかにも彫刻や絵画など、様々な「多重世界」が会場に展示されているので、ゆっくり時間をかけて「体感」してほしい。3年に一回だけの開催なので、お見逃しなく。

前回、「世界はつながっている」と書きましたが、これまでも何度か同じようなことをHPやブログで書いた。直接「つながっている」とは書いていなくても、ざっと以下のような項目がそれにあたるかな。

http://www1.odn.ne.jp/watai/050510.htm
http://www1.odn.ne.jp/watai/050104.htm
http://www1.odn.ne.jp/watai/041127.htm
http://www1.odn.ne.jp/watai/041119.htm
http://www1.odn.ne.jp/watai/041110.htm
http://www1.odn.ne.jp/watai/041101.htm
http://www1.odn.ne.jp/watai/030306.htm

このところブログの更新頻度が落ちているのは、ほかのことで忙しいからであります。大変申し訳ありません。今後もビシバシご指摘、ご批判いただければ幸いです。「●●を撮る」の番組告知は、来月になればできると思いますのでよろしく。

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綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai

映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
全国ロードショー上映中
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「世界は繋がっている」

▼全国各地の上映予定
http://www.littlebirds.net/gekijo/gekijo.html

12月~来年2月ごろまで、全国各地の上映予定が更新されました。初めて上映される県・地域もあります。お近くの場所でぜひご覧下さい。

▼東京・渋谷「UPLINK-X」上映~12月9日まで
毎週金曜・レイトショー(午後9時~)上映
http://www.uplink.co.jp/x/log/000521.php

※今年5月下旬から始まった渋谷「UPLINK」での上映も、ロードショー、モーニング、レイトと回を重ねましたが、いよいよ12月9日までになります。

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先週は、アンマンで爆弾テロ事件や、自衛隊宿営地を狙った攻撃 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051108-00000021-kyodo-int などが起きていたが、テレビや新聞、ネットを見る時間もほとんどなく過ごした。毎朝6時に起きてから夕方まで、その後も夜遅くまでみんなで話し込んでいた。

前回書いた「●●を撮る、●●を考える」の撮影ロケは、「緊張」「ハラハラ」「ドキドキ」「ウ~ン困った」の連続で、途中はどうなることかと思ったが無事終了。放送は少し早まって来年1月中旬ごろの予定です。詳細はまた告知します。

ロケ期間中、精神的には結構きつかったが疲れは感じなくて、夢中だった。終わってからは今度は急に体が重たくなって、週末は用件で外出した以外、なかなか家のコタツで動けなかった。

でも、心はとっても軽くなった。

大人から子どもたちまで、目に見えないいろんな「もの」を分けてもらった。「モノ」ではない。形に見えるモノじゃなく、みんなから、一人ひとり、ちょっとずつ分けてもらった。

ドキュメンタリー番組の取材現場は、ディレクター・カメラマン・音声マン・プロデューサー、いろんなスタッフや取材・撮影に協力してくれる人たちの心と体で構成されている。

番組や映画だけでなく、世の中はいろんな人たちのそれぞれの心と体が様々な方向や量で絡み合い、ときにそれがうまくいったり、ときにはうまくいかなかったりして、しかしそれでも、「だからこそ」あるいは「にもかかわらず」、前に進んでいくということを実感した。

ちょうど始まったミスチルhttp://www.mrchildren.jp/のコンサートチケットが運良く手に入った。
「何にも縛られちゃいない だけど僕ら繋がっている」(「Worlds end」)
先月にこのCDが発売されてから、僕はずっと同じことを一人でつぶやいている。

本当に世界はつながっていると思う。
戦争もテロも殺人も音楽も映画も●●も。
何かと、誰かと、「つながる」「つなげられる」かどうかは、相手の方ではなく、自分の心しだいだった。そしてその心が少し重たくなったり、軽くなったりすることを繰り返して、日々は動いていく。

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綿井健陽 WATAI Takeharu
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「●●を撮る」

▼日本映画監督協会HPでの座談会「現場から遠く離れて」
坂上香×青木研次×綿井健陽(司会・佐藤真 緒方明)
http://www.dgj.or.jp/japanese/tokuho/

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今週はきょう(6日)に東京都内で催しがあり、今年7月に撮影したサマワの自衛隊関係の未公開映像などをお見せしながらお話させていただく。詳細は、http://www1.odn.ne.jp/watai/

さて、その後は実は僕にとって「今年最大のヤマ場」といってもいい1週間が待ち構えている。今年4月の映画公開・封切り直前よりもちょっと緊張している。コワイよ~。でも、とても楽しみ。ひょっとすると、イラク取材よりも手ごわいかもしれない。

3日間という期間で、僕とほかの人たちがあるものを撮ることになっていて、これは来年2月ごろにテレビ番組で放送される予定。いまはまだ告知できないのだが、「●●を撮る、●●を考える」というテーマ。

さて、どうしよう。●●は目に見えないものだ。

先日、久しぶりに映画館のスクリーンで映画を観た。
ゴダールの「アワーミュジック」 http://www.godard.jp/index.html

ゴダールの映画なんてこれまで2、3本ぐらいしか見たことがないから、とても語る資格はないが、この「アワーミュジック」は、「現代の戦争」を描いているといえないか。

パンフレットに掲載されている彼のインタビューが興味深い。
「これは何回も言ってきたことですが、まず自分の一日を撮ってみるといい。するとどれだけ自分が映画を撮れないかわかるでしょう。」
「私が若い人たちによく言うのは、昔は小さなデジタルカメラは存在しなかったけれど、こうした道具があるためにいっそうこの仕事は難しくなっているということです。」
Q 映画は世界を救えると思いますか?
「それは聞いてはいけない質問ですね。」
※インタビュー全文はこちら。映画を観終わってから読んだほうがいいかも。→http://www.godard.jp/ourmusic/ourmusicinterview.htm

彼は簡単には答えない。映画「アワーミュジック」のシーンもまたそうだ。
映画の中には、こんな言葉が並ぶ。
「無がなければイメージの力は表現されない」「無から築き上げよ」

今から6年前、NHKの「ETV特集」の番組編集中に、ベテランの編集マンから言われた言葉がある。

「映ってるけど、撮ってないね」

僕が撮影したある人物の映像カットをいくつか見て、彼は指摘した。そのとき僕は「はい?」とまさしくよくわかっていない返事をした。あれから6年たって、様々な現場を踏んでようやくその意味に「少し」は気づいたが、まだ気づいていない部分もある。

「映ってる」と「撮る」との違い…。

カメラの操作というのは簡単だが、映像を「撮る」ことは簡単ではない。
さて、「●●」を僕は「撮れ」るのだろうか?

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